衣川晃弘大先生御講話 平成24年7月29日 北関東見聞会

皆様おはようございます。朝早くお越し頂きましてありがとうございます。

 人間は、いろんな苦労するからこそ幸せになれると私は考えている一人です。苦労しない方は魅力がありません。痛みや苦しみを経験するからこそ、人の気持ちが分かるようになるのだろうと思っている一人なのです。

 病気をした方は病気の苦労が分かるのです。健康の有り難さが分かるのです。仕事が上手くいかない方は、仕事がどんなに大変なものかも分かるわけです。人間関係で苦しんでいる方は、人間関係が上手くいかなければこの世の中は生きていけません。家族だって人間関係で成り立っていますよ。

 私は日本で六十七年間生きてきましたけど、インドに十八年間で、百回以上、行かせて頂きました。仕事もしながら、長い時は八カ月以上滞在して自分というものをずっと見つめてきました。

 日本を見ると、世界でも日本人は素晴らしいのですが、なぜ、こんな日本人になったのだろうかと思うことがありました。「自分さえ幸せであれば良い」、「自分さえ良ければ良い」、何でこんな自己中心な人間になったのだろうか。個人主義が世界中で横行しています。

 個人主義は、確かに個人の人間の力を発揮します。でも、人との関係は難しいのです。

私は、付き合う人を昔から選んでいたのです。だから友達は真面目な良い子しか付き合わなかったのです。いつも友達は三人でした。小学校の時も、転校をしても、皆クラスで一番大人しそうな、優しそうな子としか付き合わなかったのです。人の悪口や批判をする人とは一切付き合わなかったのです。中学でもそうでした。そして高校の時も勉強をする友達しか、良い友達しか持たなかったのです。

 でも、クラスには不良と呼ばれていた人達もいたのですが、私は、人を批判したり、軽蔑したりしないから、その人達とも親しかったのです。私は、人を差別しなかったのです。私は、勉強は高校一年までしたことがなかったのです。成績は真ん中でした。試験前の一夜漬けで真ん中ということは、ちょっと勉強をしたらどうだろうかと思って、私は、人並以上に努力をすることをちょっとしてみたいと思うようになったのです。

 「人並み以下の努力をする人間は、人並み以下だな。人並みの努力は人並みくらいだな。人並み以上の努力をしたらどうなるだろうか?」 私は人並み以上の努力をしたことがなかったもので、人並み以上の努力を一回してみたいと思いました。試験前の勉強を皆に聞いたら、一夜漬けが一番多かったです。その次は、一週間くらい前から勉強する人が多かったです。二週間くらい前からする人は、ほんの数人くらい。三週間前から勉強する人は誰もいませんでした。ですから、三週間前から勉強をしだしたら、すぐに一番になったのです。

 人間は努力が一番、良い努力をすれば、良い結果が来ます。逆に、悪い努力をすれば、悪い結果が来ます。これに気づいたのが高校二年生の時でした。新聞配達を高校からさせてもらいましたけど、購読して下さる方は、新聞を本来待っているはずなのに、配達する私を待って下さっていたのです。「兄ちゃん、今日は遅かったなあ」 新聞が遅かったのではないのです。なぜなら、家が貧しかったから、いつの間にか自転車が質に入っていたのです。それで足で走って一山越えて行くので、配達が遅れます。でも私を待っておられたのです。

 「兄ちゃん、今日は遅かったな、何かあったのか?」と声をかけられました。私はとても好かれたのです。なぜなら、元気があったからです。「おはようございます!」 言葉が元気だったのです。「おはようございます! 新聞です。」 その声がいつの間にか、購読者を虜とりこにしてしまったのです。

 そういうことで一日も休まずに新聞配達をさせて頂きました。大学に行かせてもらったのも新聞配達をしながら行かせてもらったのです。三週間前から勉強させてもらって、新聞配達も朝三時に起きてさせてもらって、集金も拡張もさせてもらいました。そうでないとやっていけませんから。そうしますとお客様が減らないのです。「兄ちゃんがいる限り、新聞を取ってあげるよ」と言って下さいました。

 「なぜだろうか?」と思いました。一日も休まずにただ元気だけで。

 朝は皆さん寝ておられるので「朝刊です」と大きな声で言ったら怒られるから、夕刊の時に、「夕刊です!」と元気よく言いました。その元気な声を聞いたら、「兄ちゃんも元気でやっているから、兄ちゃんがいる限り新聞を取ってあげるから」と言って下さったのです。

 それが功を奏して、大学三年生の時、学生で配達所の所長に抜擢されたのです。良い努力をしたら必ず信用される。人と同じことをしたら、人並みである。人並み以下の努力をしたら人並み以下であると分かりました。人並み以上の良い努力をしたら、必ず人並み以上の良い結果を頂ける。そして、大学で勉強もしたから、大学で「お前は、戦後二番目に頭が良かった」と褒められました。一番でなかったけど、「二十年間で二番目に頭が良い」と言われました。

 本当は、頭は悪いのです。努力をしたから、良い成績をもらっただけなのです。だから人間は、良い努力をしない人はダメなのです。

 皆さん、努力をしているのですか? その努力が良いのか、悪いのか分からなくて努力をしているのですよ。言っている意味が分かりますか? 良いのか悪いのか、分からなくて努力をしているのです。でも良い努力をしたら、必ず良い結果が来るのです。悪い努力をしたら、結果は必ず悪いことが起こるのです。

 私は気がついたらいつの間にか、結果主義者ではなく、経過主義者になっていました。どれだけ良いことをしているかが、良い結果に繋がるのです。だから、私は結果を見たらすぐに、そのグループの状況が分かるのです。「今は悪い、でも良い努力をしている最中だから、そのうちに必ず良くなる」 逆に、「今は伸びているけど、このグループは良くない。この人は基本から外れている。遣り方が間違っている」どれだけ良い数字でも、数字を見れば状況が分かるのです。なぜなら、結果よりも経過を大切にするから、良い努力をしているのか、間違った努力をしているのかが分かるのです。

 だから、そういう人間性が、少し苦労して大きくして貰ったことが、私にとってとても感謝だったのです。働きながら大学に行かせて貰うといっても、「お父ちゃんや、お母ちゃんのお陰や」という気持ちしか出てこないのです。苦労して育ててくれたお父ちゃんやお母ちゃんのお陰や。そういう感謝の気持ちが、やっぱり社会に出ても成功させて下さるのです。私は、悪い人とは一切付き合わなかったのです。お仕事が出来る方とか、真面目な方と付き合いました。遊び人とは付き合わないことにしたのです。成功の仕方を私は心得ていました。

 だからまず、人から信用される仕事をすることが基本です。人から信用されるには、約束を守らないといけない。嘘つきは絶対に信用されないのです。お金一円でも、綺麗な人間でないと人から信用されません。お金の約束を守る、時間の約束を守る。「約束を守る人間は信用される」という私の少し小さな成功の中の一つなのです。

 そして、人を大事にする人でないとダメなのです。親を粗末にする人は、良く見てご覧、「社会が悪い」、「会社が悪い」としか言わないのです。親を大事にする私は、「社会が悪い」とは一回も言ったことがないのです。「政治が悪い」と私が言ったことありますか? ないでしょう。政治が悪いと言ったことはないのです。「私たち一人一人が悪い」と言うだけです。だから私は人のせいにしないから、人から少しは受け入れられるのです。

 私は宗教を否定しません。なぜなら、憲法第十九条に思想及び良心の自由、憲法第二十条に信教の自由が保障されているからです。死刑囚でさえも仏様とか神様に手をあわせること、つまり道を教えられているのです。

 一番大事なことは、宗教に入るも入らないも関係なく、そういう心の支えになっているものをあなた方は持ってお見えになるのですか? あなた方に、生きているのに使命があるのですか? その使命がなかったら、人間は能力を発揮出来ません。

 悪い使命を持てば、悪いことが起こります。良い使命を持てば、良いことが起こります。私は使命がなければ生きていけなかったのです。自分のことではないのです。「社会や人のお役に立ちたい」というこの使命はどうしても壊せなかったのです。

 だから二つ目の会社は使命を持ちました。「善意・創意・熱意」という社是を作らせて頂きました。「良いことをしたい」と思いました。絶えず人間は満足をしたらダメなのです。満足したときに、もう終わりなのです。だから絶えず創意工夫しながら、もっとお役に立つ努力、「善意・創意・熱意」で会社を経営させて頂きました。

 今、青年で社会や人の役に立ちたいという熱意のある方は減ってきました。本当に、自分の周りの事さえ幸せであればよいと思う青年が増えてきたように思います。これは青年が悪いのではなく、そういう子供に育てた親が悪いのです。

 私は、二つ目の会社には、使命を作ったのです。その使命は、皆さん、健康と言ったら、体だと思うでしょう。しかし、体よりも大事なことは心の健康ですよ。心が素晴らしい人間性であるならば、何があっても成功するのです。だから、松下幸之助という偉大な経営者がおいでになったのは、私も記憶しております。お話しをしたことはないけれど、書物を見たことはあります。

 松下幸之助という方がなぜ成功なさったのか。社員を育てている会社は、人格者を育てているということです。松下幸之助はまず、人を育てている会社、そして物を販売している会社ですと仰られていました。つまりあの方は、人格者を育てれば、物は買って頂けるという物の考え方なのです。だから人格者が育てば、社会や人類の役に立ち、会社は大きくなるということだったのです。言っている意味が分かりますか?

 だから、松下幸之助がなぜ経営の神様と呼ばれているのかと言ったら、人を育てることだけに傾注なさったからです。だから、人が育ったから会社が大きくなったわけです。ところが、あの方が亡くなられたら、その教えは消えていったと思います。

 私たちは、その人格の基、命という偉大なる存在がどういう存在かを学んでいるグループなのです。その命という存在を学びだした途端に人生は今日から変わっていくのです。これは理論ではないから、私は偉大なる方から少しだけ命という存在に通じさせて下さいました。

 命は不変で不滅で、永遠の存在であることを知らないでしょう。私は、インドで十八年間、命に繋がる努力をずっとさせられたのです。命ってどういう方か、日本人で知っている方はほとんどいません。命って存在が理解できないのです。

 例えば、状況を説明します。これは目覚めの世界ですね。目覚めの世界は見た目の世界で何となく分かります。夢見の世界のことは時々覚えているけど、忘れるでしょう。

これは過去の思考器官で思ったことが夢の中で出たり、テレビで見たとか、映画で見たとか、本で見たとか、思考器官に残っていたことを夢の中で見るわけです。これを夢見の状態といいます。

 熟睡のことを覚えていますか? 熟睡したということを……覚えていないですね。命に繋がるには、熟睡よりももっと深い世界に入った時に、命は理解できるのです。覚えているわけがないではないですか。命が説明できるわけがないではありませんか。こういう説明ができる人は少ないでしょう。熟睡よりも深い世界に入った人にしか、命の存在は分からないのですから。だから説明して下さいと言っても、説明できないわけです。

 命という存在は時々、人類や社会のために良いことをする者に姿を見せられることがあるのです。「人の幸せのために人生を賭けたい、役立てたい」というその強い決意が出来た時に、ちらちらと垣間見せて下さるのです。命に勝るものはないと思うのです。

 偉大なる存在は、あなたのことを良い方に変えることくらい、何ともありません。ただ、あなたが善い人間になれるかどうかがポイントです。社会や人の役に立つ人間になれるかどうか、その学んだことを仕事に活かせるかどうか、家庭に活かすかどうかが大事なのです。言っている意味が分かりますか? あなたが社会にも役に立つだけじゃなく、そのことを家庭や仕事や人生に活かして欲しいのです。ベストグループは人育てをしているグループなのです。良くない人に参加をして頂かなくてよろしいです。良くない人かどうかは自分で判断をして下さい。

 良い人は、社会や人の役に立ちたいと本当に思うのです。これが良い人です。悪い人とは、自分の事にしか興味が無いのです。人がどうなろうと関係ないのです。これが悪い人だと言われています。良い人は、少しは社会や人のお役に立ちたいという気持ちをお持ちなのです。どっちみち死ぬのですから、心配しなくてよろしいです。何時死ぬか分からないのですから。皆さん、どれだけ生きられるか分からないでしょう。私だって何時死ぬか分かりません。

 ベストグループを一人から初めて、十八年になります。ベストグループ本部を創って十二年、最初の六年間、私は皆の力を得ながらやってきましたが、七年目に皆でベストグループ本部を創ったのです。そこからあっという間に日本中に広げて下さいました。

私は努力することは惜しまないのです。元々、努力家ですから。良い努力はしますが、悪い努力はしたくありません。悪い努力は疲れます。良い努力は疲れないじゃないですか。人々と社会に役に立つ努力ですから、これは疲れません。

 少しベストグループのことをご紹介させて頂いたところで、私、衣川には何にも力がありませんから、ご心配いりません。偉大なる方が全ての力を持っておられます。その偉大なる方があなたの中にも存在します。そのあなた方は、今日まで努力をしてきませんでした。努力をされたら、すべてが即良くなるかも知れません。時間が掛かる人があっても、良くなるかも知れない。仕事も、家族の問題も体さえも人生さえも素晴らしい方に変わるかも知れません。それは良いことをするから、良いことが起こるのです。

ありがとうございました。

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