衣川晃弘大先生御講話 平成24年6月17日 道央・道南見聞会

皆様、おはようございます。人間は、皆、素晴らしいのですが、何が本当に素晴らしいのかをご存知で生きている方はほとんどおられません。皆、それぞれの能力を持って生きておられるのです。

しかし、その本当の能力が何なのか、知らないですね。仕事が出来る能力とか、料理が得意な能力とか、運動が出来る能力とか、人に思いやりを持つ能力とか、それぞれに色々な能力があるのです。営業する能力とか、能力はたくさんあるのですが、でも総合的な能力を持っていることに気づいていないのです。本当なのです。だから、その能力を皆活かしていないのです。

私は事業家時代、正直言いまして、人に動いて頂くという能力はとてもあったように思います。だから、たった四年で五千名の方に働いて頂いた時期もありました。そして、会社が潰れかけるということも経験しました。そこから立ち直る時に、人間本来の能力が出てくるのです。良い時には人間の能力は出ないのです。立ち上がる時に能力が出てくるわけです。苦労した時に、その苦労を乗り越える能力とか、病気になった時に、病気に克つ能力とか、克つ力があるのです。でもあなた方はその能力にまだ目覚めていま

せんから、その能力にちょっと目覚めた方のお力を借りるしか無いかも知れないと思うのです。

お仕事だってそうです。落ちた人間が、そんなに簡単に立ち上がる事なんて出来ません。

しかしその時に仕事が立ち上がるきっかけを下さる方もおられるかも知れません。

私は医学を否定しないのです。なぜなら、医学は世の中で一番進歩した技術ですから。

しかし、それでも治らない病気がいっぱいあるわけでしょう。医学で治らない病気があるから、難病と言うではないですか。でも、人間にはひょっとしたらそれを乗り越える力があるのだろうと私は思います。

それを、人は奇跡と言うかも知れません。でも奇跡の力というのはあなたの中に存在しているのです。それをどうして皆知っていないのかと思います。

会社が潰れかけて、五千名以上の方が働いておられたのが二百名になったら、普通、企業は潰れますよ。でも私は無借金で経営をさせて頂きました。資本金はたったの一千万円で、手形も発行せずに無借金でした。でも、先に潰れかけたのは心でした。四十二歳の時に、「もう私はダメかも知れない」と思いました。先に精神的に参っていくのです。

その時の支えは、少しはあったのですが、やっぱり「藁をもすがる」という意味が分からなかったのです。もうダメかなと思った時に、その藁をもすがるという、「藁」の意味が初めて分かったのです。そこまで行かなければ、藁の意味は分からなかったのです。言っている意味が分かりますか?

人間はそのようになって初めて、色々と能力が発揮されるのだろうと思うのです。ほとんどの立派な方は、「もうダメか」と思う時に、立ち上がった方が世界中におられます。私もその一人かも知れませんが、「もうダメかも知れない」と心が先に潰れていくのです。その時に、藁の意味が分かって、あっという間に立ち上がりました。それからは考えられないように精神的にも強くなり、世の中の事に負けないような人間になっていきました。

この世の中は、悪い心を持った人と、善い心を持った人がいたら、悪い心を持った人が多いですよ。なぜなら、親が正義を、善と悪を教えないのですから。今のあなた方は、正義って何かご存知ですか? 善と悪ってご存知ですか? 人を傷つけることは悪ではないですか。社会に悪い影響を与えることは悪ではないですか。

ところが今の人たちは、両親から善悪や正邪を教えてもらった人が少ないようです。中には善いことをする人間を悪い人間と思うのです。この世の中には、そういう人が多いのです。やってはいけないこと、やって良いことを子供に我々は教えてきたのだろうか? 損得は教えたけれど、「損得を乗り越えて正義で生きろ」と教えたことがあるのだろうか?

もしも、私が事業家時代に成功をさせてもらった一人だったとしたならば、私は正義の為ならば、損得を通り越して正義で頑張ったから、何千名という方々が支えて下さったのだと思います。損得で生きると、この体を悪い心が支配していきます。私も腹を立てたり、いろんな言動をするようになりました。そうすると、人心が離れました。人心が離れたら、企業は成り立ちません。そんな経験もしました。

そして潰れかけて立ち上がる時に、自分の欠点が分かるようになってきたのです。そして、多くの方々に感謝できるようになってきたのです。皆さんのお陰だったと思うのです。だから、一度は痛い目に遭って、そこから自分で立ち直る時に、人間は成長するチャンスを頂くのだろうと思うのです。

母親の指導で人生は大きく変わります。私の母は生みの親と育ての親の二人おります。

生みの親は、私を二歳半で置いて、どこかに行ってしまいました。育ての親は小学校六年しか出ていませんでしたが、人の道を教えてくれました。「晃弘、人間というのは、何の為に生まれたのか、良く知っておかなければいけない」、「人にご迷惑を掛けたらいけない」、「一番大事な事は胸を張って生きる事が大事なのです」と教えてくれました。だから、「親が心配するようなことをするな」、「偉い者にならないで良いから、社会や人にだけはご迷惑を掛けるな」、こういう教育ばかりするのです。善と悪しか教えません。「親が一番喜ぶことは何なのか、いつも考えておきなさい」、「親に迷惑を掛けるようなことはしてはいけない」、そうやって私たちは人の道を教えられました。

食べられないことがあっても、一番大事なものは、お金とか、そういうことは一度も話をしたことはないです。「命が無くなったら終わりですよ」、「命さえあれば、何回でもやり直しが出来るのです」と命の大切さをずっと教えてくれました。

「嘘をついたら信用されない」、「オーバートークを言ったら信用されない」、「一度信頼を裏切ったら、二度と信頼されません」、そういう教育を受けた私たちには、人の道がしみこんでいたのです。

夫婦でも人間性が大切じゃないですか。夫婦は信じ合うからこそ、愛が芽生えるのでしょう。信じ合わなければ、愛は育たないではないですか。「私は、あなたを信じられない」、こう言ったら終わりではないですか。信頼される人間にならないといけないではないですか。そういう教育を受けてきたのです。私には、その教育が良かったのです。だから、親が喜ぶ人間になるにはどうすれば良いか、努力したものです。

その頃の人間は、まだ善悪の判断力があったのです。正と邪の判断力があったのです。

「善と悪を教えられましたか?」、「命がこの世で一番大切だと教えられましたか?」ないですね。それは仕方ないです。お母さんもお父さんも、祖父ちゃん、祖母ちゃんから教えてもらってないからです。

だから、人を尊ばない人は、人の心を傷付けても分からないのです。何が善か悪かも分からないのです。

もしも、この体を悪い心が支配すれば、人を傷付け、人を苦しめることに走りますよ。

そしてその結果、自分を苦しめるのです。良い心がこの体を支配すれば、社会や人の役に立つことをして、言動でも人を傷付けないことをします。そして周りから助けられたり、喜ばれたりするのです。

私たちは良く言われたものです。人の悪口は言うな、陰口は言うな。「天知る、地知る、我知る、師知る」と言って、人間は全て見られているのだ。誰も知らないと思っているけど、ちゃんとあなたの中の命が知っているのだと言われたのです。

そういう教育を受けた我々も、事業が発展していくとそういうことを忘れていって、損得が出てくると善も悪も忘れて、正義も忘れていったのです。

仕事の魅力は凄いものです。そして私自身も善悪、正邪の判断が出来なくなっていったのです。そうすると、人を粗末にするようになっていくのです。人を粗末にすれば、人は離れていくのです。そして、潰れかけて立ち直る時に、「ああ、私はここが間違っていた」と気づくのです。言っている意味が分かりますか?

これは社会のために役に立つことなのか、人のために役に立つことなのか、これは人類のために役に立つことなのかという価値判断がもしも出来るようになったら、考えられない能力が出てきて仕事に反映されるのです。仕事も成功するのです。

私はそうやって一時期、仕事を成功させて頂きました。その中で一番大事なのは、人格の大切さでした。今の方々は、人格が大切だと教えてもらっていない方々が大半です。

教えてもらっていない子供たちが、社会に出た時に判断が出来なくなったのです。損得の判断は出来るのです。でも、善と悪の判断は出来ないのです。だから、そのような人が私を見ると、偽善者に見えるのです、正義を貫いている人間を見ると信じられないのです。

正義を貫いている人間は、人の悪口や陰口は言いません。「名を堂々と名乗れ」と言うのが私の主義です。名を名乗らない人間にろくな人間はいない。「言いたいことがあったら、面と向かって言いなさい」と私は言えるのです。「人格者たれ」というのが、会社の合い言葉だったのです。今はそんな会社は殆どないと思います。人、物、金の中で、現在は金が一番ですから。だから、皆苦しんでいるのだろうと思うのです。

私は、教えてもらわなくても、人、物、金の中で一番大事なものは人だと知っていたから、成功させて下さいました。だから人財教育に物凄く力を入れたのです。(中略)

女性が変われば全てが変わるくらいの、女性は物凄い力を持っているのです。この宇宙では、女性が一番偉大なる存在として説かれています。だから宇宙は、「母なる宇宙」と呼ばれています。女神という称号を与えられたのです。形ある物質世界は、母の教育によって全てが決まるのです。だから、幸福の女神、勝利の女神、富の女神、……。つまり、この地球上の物質の世界は、母の教育によって全てが決まる。だから、母がいる家の事を母お も屋や というのです。

大黒柱は、あれは男が勝手に付けたのです。私は、インドに行って十八年、百回以上お伺いしていますが、大黒柱は母親ですよ。親父と思っていたでしょう。親父は家にいないではないですか。仕事をしに出て行ったりします。母親がきちっとしていないと家が倒れるのですよ。だから、母親が実は大黒柱なのです、だから母屋と言うのです。こんな事を誰も日本人は知らないのです。

母の教育によって決まっていくのです。その母の指導が正しければ、母国、国は繁栄する。世界中は母によって決まる、母なる地球となるのです。だから、現在、母がこれ(お金)に陥ったから、人生が狂ってきたのです。私らの頃は、お母さんはお金の話をしていましたか? 食べられなくても黙っていましたよ。

お金の話をしなくても、人間はちゃんと生きられるように創ってある。一所懸命に生きているお父さんに感謝しなさい。子供がそんなことを言ったらいけない。心配するな、お金の話は子供の前で一切しなかったのです。お母さんがお金の話をしたら、家庭は良い方向にいかなかったのです。

我が家では、お金の話を一度もしたことがないのです。お金の話をしたら、嫁さんは「お父さん、子供の前で、お金の話をしなさんな、いずれ大人になったら分かるのだから」と注意します。

父親は、「天なる父」と言って、天なる父は姿が見えないから、男の生き様を見せなさいと言うのです。

「男は小さいことで、こちょこちょ、こちょこちょしていたら、子供の見本にならない」、「お父さん、男というのは後ろ姿を見せて、正義で生きている姿を見せるのが男です」と嫁さんが言っていました。

嫁さんが大黒柱、嫁さんがいないと家は傾くのです。男は外に出て良い仕事をして帰ってくる、これは私の考えです。だから、男の人の能力を出させたり、男に上手に働いて貰うのが女の人の能力ではないですか。

インドに十八年行きながら努力した結果、「人に迷惑を掛けてはいけない」、「人類や社会の役に立ちたい」という子供をどれだけ育てるかが母親の能力であると、そう思っている一人です。

女性は、好き嫌いを通り越して愛で生きる。男は、損得を通り越して、正義で生きる。

そして初めて、やる事、なす事が上手くいくのだろうと、私の短い人生経験とベストグループの仲間を見てそう思います。今、日本人に欠けている精神の一つではないかと思っている一人です。

あなたを生かしておられる偉大なる生命という存在は、凄い御力を持っておられます。

あなたから見たら奇跡でしょう。私から見たら当たり前のことです。それを誰も教えなかったのです。私はインドで十八年、偉大なる存在に、この体も人生もお任せするようになりました。

日本が精神的、物質的に調和の取れた平和な国になるためには、物心共に平和な国になるためには、日本を構成しているのは政治家ではない、私たち一人一人の人間なのです。だから人間の姿勢を直さなければいけません。

その為に私たちは、まず命が一番尊い、命の存在を認めるという霊性変革と、社会の為に損得抜きで正義で生きるという社会変革を実践させて頂いた結果、個人変革、個人に素晴らしい人格が生まれてくるのです。

霊性変革、社会変革、個人変革、その変革の為にベストグループは二つの基本原則を持ち、十三の正しい生き方と十三の決意を実行させて頂いています。

私たち一人一人がベストの指針に基づいた正しい生き方をさせて頂く事により、日本が道徳に満ちた国になる事と命を尊ぶ国になる事により、真理の国になる事を心から願い、お手伝いをさせて頂く為に創られたグループです。そして、「日本は数百年後、世界の見本たる国になるであろう」とインドの偉大なる方が、私たちに直接に仰いました。

「日本は、世界の見本たる国になるであろう」、「その見本たる国になる人財を育てよ」

私(衣川)がしているのではないです。日本が物心共に豊かな国になるのだそうです。その時に、物の豊かさよりも人間性が豊かな国になるであろう。そういう国になる人を育てなさい。これが、ベストグループの目的です。

ベストグループは数百年後に向かって、今、人財を探して、人財を育成させて頂いているグループです。これをどうかご理解して下さい。ありがとうございました。

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